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2025.06.25
奥歯のインプラントは難しい?その理由とメリット・デメリットを解説
▼目次
むし歯や歯周病で歯を失った場合の治療法の一つとして、「インプラント治療」が選ばれることがあります。天然歯に近い機能を回復できる方法として注目されていますが、特に奥歯のインプラントは、難易度が高い場合があるようです。今回は、奥歯のインプラントが難しいと言われる理由と、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
1.なぜ奥歯のインプラントは「難しい」と言われるのか
奥歯のインプラントは、前歯と比べて治療の難易度が上がる傾向があります。これは、奥歯特有の構造や周囲の組織環境が関係しています。以下に、奥歯のインプラントが難しいといわれる主な理由を解説します。
①骨の厚みと高さが不足しやすい
上の奥歯には「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞があり、インプラントを埋め込む骨の高さが足りないことがあります。また、下の奥歯でも「下顎管(かがくかん)」という神経の通り道が近いため、インプラントの位置や深さを慎重に調整する必要があります。
②噛む力が強く、耐久性が求められる
奥歯は食事のときにかかる力が特に大きいため、インプラントにも負担がかかりやすいです。強い力に耐えられるように設計しなければ、インプラントが破損したり、周囲の骨に悪影響を及ぼす可能性があります。
③治療中の姿勢や開口が困難な場合がある
治療の際に口を大きく開ける必要がありますが、奥歯のインプラントでは施術スペースが狭くなり、歯科医師の視野や器具の操作性が制限されることがあります。
以上のような理由から、奥歯のインプラントは一般的に難易度が高いとされています。
2.奥歯のインプラントのメリットとは
難しさがある一方で、奥歯にインプラントを入れることで以下のようなメリットが期待できます。
①天然歯に近い噛む力を取り戻せる
インプラントは顎の骨としっかり結合するため、入れ歯やブリッジよりも高い咀嚼力が得られる可能性があります。さらに、硬いものも噛みやすくなり、食事の満足感の向上につながるでしょう。
②周囲の歯への負担が少ない
ブリッジ治療のように隣の歯を削る必要がなく、健康な歯を守りながら失った歯の機能を補うことが期待できます。これは、将来的な歯の寿命を考える上でも大きなメリットといえるでしょう。
③周囲の歯と調和した見た目
奥歯は目立ちにくい部位ではありますが、口を大きく開けたときに自然な歯があることで、見た目の印象が良くなる場合があります。金属のバネが見える入れ歯とは違い、自然な口元を維持しやすいのが特徴です。
④取り外しの手間が不要
固定式のインプラントは、入れ歯のように取り外して洗浄する必要がありません。自分の歯のように使えるので、口になじみやすいとされています。
⑤顎の骨の吸収を抑えられる
インプラントは骨に力が加わることで、顎の骨の吸収を抑える効果が期待でき、顔の輪郭維持にも役立つことがあります。
このように、奥歯にインプラントを行うことで、見た目だけでなく、機能性や将来の健康面でも多くのメリットが期待できます。
3. 奥歯のインプラントのデメリットや治療前に知っておくべき注意点
奥歯インプラントには多くのメリットがある一方で、注意しなければならない点やリスクも存在します。事前に理解しておくことで、後悔のない治療選択につながるでしょう。以下に、奥歯のインプラントのデメリットや注意点について解説します。
①治療期間が長くなる傾向がある
インプラント治療は、人工歯根を埋めてから骨と結合するまでの「治癒期間」が必要です。奥歯の場合、骨の量が不足していると「骨造成」などの追加処置が必要となることがあり、治療期間が数か月から1年以上に及ぶケースもあります。
②費用が高額になりやすい
保険適用外の自由診療であるため、1本あたり数十万円かかることが一般的です。さらに、追加の骨造成処置や複数本のインプラントを要する場合、費用はさらに上がることがあります。あらかじめ見積もりをしっかり確認することが重要です。
③手術に伴うリスクがある
外科手術を伴うため、術後に腫れや痛み、出血の可能性があります。また、下顎では神経に近い部位の治療となるため、痺れや感覚の変化が起こるリスクもあります。適切な診断と技術によってリスクは軽減できますが、ゼロではありません。
④清掃管理が必須である
インプラントはむし歯にはなりませんが、「インプラント周囲炎」という歯周病のような症状にかかることがあります。特に奥歯は清掃が難しく、磨き残しが出やすいため、毎日のケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。
⑤治療できないケースもある
重度の糖尿病や骨粗しょう症、喫煙習慣がある方などは、インプラントが骨と結合しにくく、治療が困難となる場合があります。また、全身疾患や服薬の内容によっては、医科との連携が必要なケースもあります。
⑥メンテナンスを怠ると再治療が必要になることも
長期的に良好な状態を保つためには、定期検診とクリーニングが必須です。メンテナンスを怠ると周囲の組織が炎症を起こし、最悪の場合、インプラントが脱落することもあります。
奥歯のインプラントは機能的には優れていますが、リスクや注意点もあるため、歯科医師と十分に相談することが重要です。
4. 西宮市甲子園口の歯医者 あしかり歯科クリニックのインプラント治療
兵庫県西宮市甲子園口の歯医者「あしかり歯科クリニック」では、患者さん一人ひとりの状態やライフスタイルに寄り添い、将来を見据えたインプラント治療をご提案しています。
歯を失った場合の選択肢の一つとして検討されるインプラント治療には高い専門性と診断力が求められます。当院では、治療歴25年以上、年間インプラント治療実績100本以上の豊富な症例経験から、事前のカウンセリングから治療後のメンテナンスまで一貫して対応。患者さんにとって納得のいく治療が受けられるよう、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。
また、診断の精度と治療の安全性を高めるため、歯科用CTや高性能な医療機器を導入。骨の状態や神経の位置を立体的に把握し、インプラント治療の可否やリスクを事前にしっかりと見極めたうえで、一人ひとりに合わせた治療計画をご提案いたします。
<あしかり歯科クリニックのインプラント治療>
①精密な診断と納得のいくカウンセリング
インプラントは見た目の回復だけでなく、「しっかり噛める機能」を取り戻すための治療です。当院では、CT撮影をもとに骨量や骨質、神経の位置などを詳細に確認し、患者さんの状態に合った治療計画を立案。専門用語をかみくだいてご説明し、ご納得いただいたうえで治療を進めています。
②痛みや不安への丁寧な配慮
手術に対する不安を少しでも軽減できるよう、麻酔の方法や治療の流れについてもしっかりご説明。必要に応じて、麻酔の種類も柔軟に対応します。術後の痛みや腫れをできる限り抑えるため、患者さんの体調や生活スタイルも踏まえて、無理のないスケジュールを提案します。
③一人ひとりに合わせた柔軟な治療方針
「インプラントがすべての方に適している」とは限りません。当院では、ブリッジや入れ歯など他の治療法と比較しながら、患者さんにとって最適な選択肢を一緒に考えます。無理にインプラントを勧めることはせず、将来の健康やメンテナンス性を重視したうえで、納得いただける治療をご提案しています。
インプラント治療は、治療の内容や進め方によって、その後の食生活が変わる可能性のある選択肢のひとつです。
まとめ
奥歯のインプラントは、骨の条件や噛む力の強さなどから前歯に比べて治療の難易度が高くなる傾向があります。しかし、天然歯に近い噛み心地を取り戻せる、周囲の歯を守れるといった大きなメリットもあります。一方で、費用や手術リスク、メンテナンスの重要性といったデメリットや注意点も理解しておく必要があります。
西宮市・甲子園口周辺でインプラント治療をご検討の方は、あしかり歯科クリニックへご相談ください。
監修:院長 芦刈貴光
略歴
平成12年 大阪大学歯学部 卒業
平成12年 大阪大学歯学部付属病院
歯科保存科 勤務
平成14年 大阪市の大型歯科医院
副院長として勤務
平成20年 あしかり歯科クリニック 開院
平成28年 医療法人あしかり歯科クリニック 設立
資格
厚生省認可臨床研修指導医
所属学会等
西宮市歯科医師会